Satoko Miyazaki(ハッピーガーデナー)
敬老の日の花と言えばリンドウに代表されますが、リンドウは、日本の野山に生息する草花で、紫式部や、清少納言が愛した花と言われ、古今集や、枕草子の和歌に登場している花です。古い時代から愛されてきた事から、年配者を敬う高貴な紫色として、長寿の祈る花として利用されています。
リンドウの種類について
リンドウは大きく分けて2種類の咲方があり、全く花が開かない蕾の膨らみ、色の変化、花びらの重なりを愛でる日本のワビさびの心をしるエゾりんどう系、リンドウ蕾は晴れた日に陽射しを浴びると空に向かって花を咲かせます、夕方、日が暮れると蕾は閉じるササりんどう系があります。
現代でも、お盆やお彼岸の時期に切り花として一般的に出回わっている花は全く蕾が開きません。
凛とした美しさが、昔ながらの日本のワビさびの感性で今の時代も愛でている日本人の精神性の豊かさを象徴のような花です。
日本を代表するリンドウの産地、安代&花巻
北の国、寒さの厳しい岩手には、日本を代表するリンドウの産地、安代&花巻の2か所の産地があります。
安代りんどう
岩手県の山野に自生するリンドウの花を、寒暖の差が激しい安代の地で交配を繰り返す事で、発色の良い花が実現し、高品質で美しい産地の風土に適したオリジナルのりんどうを続々と生み出しております。岩手県特産の八幡平市の「安代りんどう」全てがオリジナル品種です。日本一の誇りと称賛されているリンドウは、国内はもとより、海外でも注目をあびているグローバルなフラワーブランドです。
その中でもクリスタルアシロは、西洋風のカンパニュラのようなエレガントな花を咲かせ、大き目のベル型の花は名前のとおり、水晶のような透き通る輝きをもった花びらにライトブルーのストライプ模様がはいり、若いおばあちゃんにおすすめです。
花巻りんどう
今やリンドウは、ビックリする程の進化を続けており、日本初の流通となるバラ咲きリンドウをご紹介します。
バラ咲きとは?まるでバラの花のように幾重にも花弁が重なっているリンドウです。
咲き方がまるで孔雀が羽を広げた模様を連想させられる事から孔雀と命名され、青花を「蒼孔雀」、桃色花を「桜孔雀」、2種類の孔雀が誕生しました。
商品化のきっかけは、個人育種家が開発し、日の目を見ることなく埋もれていた品種が、縁があり花巻の地に紹介されて、試験的に栽培をしたことで始まり、5年以上の歳月をかけ、品種特性の解明や県内での栽培順応性の見極め、商品化に向けた荷姿の検討などの試行錯誤を繰り返して、令和元年にデビューしました。
この八重咲きリンドウは、 花粉をもたない花持ちが抜群のリンドウです。
孔雀リンドウは、丸みを帯びた花は陽射しの加減で開く、ササりんどうです。午前中の柔らかな陽射し当たる場所でお楽しみください。蒼孔雀の青は 宮沢賢治が愛した花巻の星空。銀河鉄道の夜にでてくる花巻の自然、蒼(あお)色だそうです。
リンドウのお手入れ方法
花は1つの茎に複数輪咲きます。茎の先端の一番高いところに一番花が咲きます。花は曇ると閉じ、陽射しを浴びると開き、繰り返します。
開花を繰り返すしていくうちに、花が徐々に茶色なり、開かなくなります。見苦しくなったら、茎を抑えて上に抜く様にして老けた花を取り除きます。リンドウの花は、咲き下がるので、老けた花をとる事で、新たな蕾が下に現れ花時期を長くする事ができます。そのままにしておくと、種をつけてしまうので、結果として種に栄養を取られて、次の蕾が付きにくくなります。
午前中の陽射しのあたる場所におき、花柄摘みを繰り返す事で、花時期を長く楽しめます。花がおわったら、耐寒性多年草ですので、地植えに又は鉢ましをして、来年もお楽しみくださいませ。リンドウは、酸性土壌を好みます。ピートモスをすき込んでHP調整をしましょう。